[全身画】 【表情】 【
「ワタシこれでも医者なので。治せるものは治してみせましょう」
名前:不明
種族:ヒスイゾロアーク♀  特性:−
性格:がんばりや  個性:−
一人称:ワタシ  二人称:アナタ
身長:195cm  年齢:不明
現住地:シンジュ集落から離れた場所

遠い地方からやって来たらしい医者の女性。
現在は、別地方から来たという少女・ピオンの
面倒を見ながら穏やかに日々を過ごしている。

いつもニコニコしていて掴みどころがない。
出身地どころか名前や年齢も秘密にしている
謎の多い女性だが、医者としての腕は確か。

とてもお節介でピオンのことに介入しがち。
ピオンからは「もう少し控えて」と言われるも
「気になるんだもの♪」と適当に流している。

他者との対話や会話が上手そうに見えるものの、
意外と人見知りなのか全く人前に姿を現さない。
ただし大切なピオンのためなら話は別である。
※本編から約2年前のお話になります
ピオン(アローラロコン♀)
ひとりぼっちで困っていたところを助けてあげた。自分と似たような種族で親近感を抱いている。
彼女が年頃らしく恋をしたり、女の子らしく成長する姿を見て喜びと寂しさを感じているとかいないとか。

「ピオンちゃん。ワタシを必要とするならいつでも呼んでちょうだいね。」

ゴンベエ(ヒスイウインディ♂)
記憶喪失らしい青年。ピオンと仲が良く、その仲睦まじさは思わず嫉妬するほど。
「あら〜ゴンベエ君ったら生粋のスケコマシだったのね〜ピオンちゃんが真っ赤よ〜」
「私の"家族"を奪うなら、殺してあげるわ!あはははは!!」
名前:サフィニア
種族:ヒスイゾロアーク♀  特性:−
性格:がんばりや  個性:−
一人称:私(わたし)  二人称:あなた、お前
身長:195cm  享年:27歳
出身地:イッシュ地方

謎の女性の正体は、強い恨みを抱いた悪霊。
元は何十年も前に故郷を追われて逃げた女医。
しかしやっと逃げた先でも邪険に扱われていた。

申し分ないくらい、医療技術に長けている。
凍土の行き倒れを善意で救う度に拒絶され、
いつしか"笑うこと"を忘れてしまっていた。

そんな中、自分が助けた"きんか"という男性に
初めて感謝されたことを機に彼と同棲を始める。
そして男児を授かり、幸せな日々を送っていた。

自分を拒絶した者たちが、自分の家族を殺し、
自分にも手を掛けるその時までは幸福だった。
連中を皆殺しにしたのは霊に成ってからだった。
※実体化した姿のため、憑りついたピオン以外にも認識できる
ピオン(アローラロコン♀)
襲われていたので襲ってきた相手を殺してあげた。自分と似たような種族の彼女に憑りついている。
娘のような存在の彼女が嬉しそうにする姿に喜びながらも、彼女を奪う存在には一切容赦しない。

「何もできないあなたをずっと守ってあげていたのは誰!?私だけだったわよね!?」
「いい?ピオン…そいつを殺してでもここに留めるわよ…あなたは私の"娘"だから」

ふじお(ヒスイウインディ♂)
自分の"娘"を奪おうとする悪い男。事情があろうがピオンが好きだろうが関係ない。
「私が居なかったら死んでいた癖に…恩を仇で返すなんて、とんだ悪餓鬼ね」
「私は私の"家族"を奪う相手に情けなんか掛けないわ。殺す。ただそれだけよ」
※めちゃくちゃ長いです
・生まれはイッシュ地方で、両親の支えや自身の努力の甲斐があり、高い医療スキルを持っている
・種族が"ゾロアーク"というだけで他の種族から迫害され、両親は自分を守るために命を落としてしまう
・両親のためにも何があっても生き続けることを誓い、ヒスイ地方へ逃げ延びて来た
・しかしヒスイ地方でも珍しい異種族として「災いをもたらす」「近付くと呪われる」「疫病神」などと
 理解する気もない連中から適当なレッテルを貼られて孤立していた
・誰からも受け入れてもらえない状況の中、ひっそりと暮らそうとしていたのだが、
 目の前で倒れて苦しむ相手を見過ごせるほど非情ではなかったため、道行く行き倒れを介抱してきた
・それでも助けた者達からは「殺される!」「近付くな!」「消えろ!」と吐き捨てられるばかりだった

・いつも通り行き倒れを見つけて処置を施し、隠れ家で意識が戻るまで待っていたところ、
 目が覚めたルカリオの男は罵倒を浴びせる…ではなく「最近ここに来た方ですよね」と話しかけてきた
・それだけでも驚いたが、続けて「本当にお医者さんなんですね…あなたのお陰で助かりました」と
 体を起こして自分に向かって頭を下げてきた
・男の言動に戸惑いながらも淡々と「別に、目の前で死なれても私が困るだけだから」と伝えると
 「でもこんなに丁寧に対応してくれて…あなたは心の優しい方だと思いました」と返し、最後に
 「あなたが今まで助けてくれた方の分までお礼を言わせてください。ありがとうございます」と、
 求めていたわけではなかったが一番言ってほしかった言葉を与えてくれて、声を出して泣いてしまった

・ルカリオの男は"きんか"といい、彼は前々から自分のことを気に掛けてくれていたようで、
 「怪我して倒れたのはたまたまだったけど…こうしてあなたに出会えてよかった」と言ってくれた
・きんかは自分の事情もきちんと聞いてくれて、知った上で「一緒に暮らさないか」と誘ってくれた
・「彼に迷惑が掛かるかも…」と尻込みしそうになっていたが、「無理にとは言わないけど…」と
 寂しそうな顔を見せるきんかに抗うことができず、彼の誘いを受けることとなった

・きんかとの同棲生活は始める前の不安を払拭するかのように穏やかで暖かで、
 「自分はこんなにも幸せで良いのか」と思うくらい、満たされた日々を送り続けていた
・同棲して数年後にはきんかとの間に子を授かり、"エミ"と名付けて2人して目一杯愛情を注いでいた
・エミは色違いの子供だったが、きんかと同じ色を持つエミを見て「本当に自分と彼との子だな」と感じ、
 自分たちの息子として無事に生まれてきてくれたことに心から感謝していた

・夫や息子の待つ家に戻ると、血だらけで既に息絶えた夫と息子の姿がそこにあった
・彼らの周りには以前自分が助けた者やその血縁者が立っており、自分に向かって何か叫んでいた
・本来なら彼らの発言を聞き取り理解しているはずなのだが目の前の遺体で頭がうまく働いていなかった
・夫と息子に近付こうとした瞬間、自分の頭は胴から離れていて、視界は回転しながら赤く染まっていった
・それからほんの少しの時間、殺されたはずの自分は"家族"を奪った連中に強い恨みを抱いた結果霊と成り、
 その場にいた全員を丁寧に丁寧に嫌がろうが喚こうが少しずつ痛みを実感するよう苦しめながら殺した

・霊に成っても生前のように行き倒れを助ける行為は(霊で可能な範囲で)続けており、
 汚らしい死体の山を撤去した自分の住居は誰も入れないように見張っていた
・恨みを抱く奴等はひとり残らず殺したはずなのに何故か現世に留まってしまっているので、
 空虚な日々を送っていたある日、気色の悪い男が小さな白い女の子を襲っていた
・襲われていた女の子はこの地方では見かけない種族であり、自分との共通点を見出していた
・あれこれ考えるよりも先に手が動いていて、女の子を襲っていた男は一撃で殺害した
・霊に成って何故か白くなった自分と、小さな白い女の子はとてもよく似てい(るように思え)て、
 目を丸くさせていた女の子に「アナタ、白くてなんだかワタシと似てる。まるで本当の娘みたいだわ」と
 そう言って微笑みながら、女の子──"ピオン"に憑りついていた

・ピオンはアローラ地方という、自分の故郷とはまた違う地方からやって来た女の子で、
 彼女は家族と離れ離れになってしまい、今日まで必死に生きてきたのだという
・彼女には自分が生前暮らしていた住居を教えてあげて、そこで暮らすように勧めた
・憑りついてから彼女を観察すると面白いぐらいに見知らぬ男に引っかかるのでその度に退治してあげた
(初めて出会った時のように相手を殺そうともしたがピオンが止めてと泣きつくので殺しはしなかった)
・小さくてろくに栄養も摂れず体調を崩し続ける彼女に医者として適切な処置を施してあげていた
・「ワタシのことを母親だと思ってくれてかまわないのよ?」とピオンに言うも
 「そんなに若くて綺麗な人は母親じゃないわ。"おねえさん"よ」と頑なに母親扱いを拒否してきた
 (でも「若くて綺麗」と言ってくれたのは嬉しかったので、すんなり受け入れている)
・霊であるために外見が変わらない自分と、全く成長しないピオンは、その関係も変わらず一定で
 こんな日々がずっと続いてくのだろうなと、その小さな幸せがこの世に留まる理由になっていた

・しかしそんな変わり映えのない平和な日々も、とうとう変化の時が訪れた

・ピオンと出会って3年後、純白の凍土の北東の岸辺を歩いていると珍しい種族の少年が倒れていた
・どこかから流れ着いたようなので、島流しでもされたろくでもない子供だろうと思っていたのだが、
 ピオンが助けたいと言い出すので「そんな子助けて何になるの」「また騙されても知らないわよ」と
 釘を刺すもこちらの意見を聞きやしないので、仕方なく助力してその少年を運搬・介抱した
・記憶喪失だと嘯く少年はピオンに"ゴンベエ"と名付けられ、ピオンの共生の誘いを即座に受け入れてきた
・まるでどこかの誰かみたいに他人を軽率に信用するゴンベエに多少の不快感を覚えながらも、
 幽霊は幽霊らしく彼女たちの生活を見守ることにした

・ピオンとゴンベエの生活も5年の月日が過ぎ、多少体つきがしっかりしてきたゴンベエに対し、
 ピオンは相変わらず小さくて可愛い少女のままだった
・そんなことはどうでもいいと思っていた時に、ゴンベエがピオンを凍土以外の場所に連れ出そうと
 ピオンをうまく丸め込もうとしていたため数十年ぶりに頭に血が上って思わず自分を実体化させていた

・「黙って聞いていればくだらないことを長々と喋ってくれたわね、この女誑しが」と
 ゴンベエに圧を掛けながら"針"を出しゴンベエの体にぶち込むよう投擲し始めた
・小癪なくらい攻撃を避けては減らず口を叩いてくる小僧、自分の言い分を聞き入れない我儘な娘、
 そのどちらにも怒り狂ってしまってひたすら暴れ続け、気付くとゴンベエは傷だらけになっていた
・痛みに耐えるのがやっとの癖にゴンベエは生意気にも自分から目を離さないので、
 今まで誰にも明かすつもりがなかった自分の過去を話し始めていた
・自分の口で語ることで当時の記憶がまざまざと蘇り、夫と息子は自分のせいで死んだとか、
 自分が助けてきた連中なんか放っておけばよかったのかとか、
 ピオンのことも自分が関わらない方が……と感傷に浸っていた自分を怒鳴りつける声がした
 「あんたが辛い思いをしたのは分かる。恨まれて殺された奴等に同情なんかしない。
  でも、だからって、ピオンの未来を奪っていい理由になるわけないだろ!!」
※ほぼ全部セリフです
「その子は私が助けなきゃ死んでたわ!私が守ってあげていたの!!分かる!?」
「助けてあげたから死ぬまであんたの側に居続けさせるのは間違ってる、絶対に!」
「何が絶対よ!なら見殺しにしていたら良かったのかしら!?存外酷い男なのねあなた!」
「そういう話じゃない!見ず知らずのピオンを助けてくれたあんたは恩人だ!
 助ける義理もないのに……あんたは立派なことをしたし誇っていいことだと思う!」
「……何が言いたいの?」
「あんたが彼女にしてやれることは、彼女が独り立ちするその時まで側に居ることだ。
 恩を押し売って自分の娘として飼い殺すなって言ってるんだよ!」
「私だってこんなこと無意味だと分かってるわよ!!」
「……!!」
「分かってるわよ……でも、もう自分で自分を消すことはできなくて……
 ピオンは自分の娘じゃない……私の助けなんかもう必要ないんだから、離れればいい……
 でも!私はずっと独りきり!……またピオンみたいに孤独な子供を拾う?どうせ別れるのに?
 そんなことを繰り返してもただただ虚しい……私は、どうすればよかったの……?」
・自分が涙を流していることにようやく気付き、ピオンも自分と同じように泣いていた
・口論していたゴンベエは、顔を伏せ四つん這いになりながら、
 「お願いです、赦してください。ピオンを自由にしてあげてください…!」と、
 本当ならその立場ではないのに、どこかの誰かの代わりに自分に赦しを乞い続けていた
・「私はただ、夫と息子が居る場所に帰りたかっただけなのに」
 「いつもみたいに『おかえり』と言ってもらいたかっただけなのに」と
 叶うはずのない願いが頭を駆け巡っている時、自分たちの目の前に
 「やっと見つけた!」と嬉しそうに声を上げる、白い男の子が現れた

・突然現れた白い男の子は、少し成長しているし色も白かったが、紛れもなく息子の"エミ"だった
・「嘘、どうして……」と自分は理解が追い付いていなかったのだが、
 「だっておかあさんを迎えに来たから!」と、こんな姿になった自分をエミは見つけてくれた
・エミとの再会に思わず頬が緩んでいると、夫が待ってくれていることもエミから教えてもらった
・「エミと夫の元に帰れる!」そう思った時に、ピオンの笑顔が頭を過り、彼女の方を向いていた
・「彼女はこんな悪霊を求めてなんかいない。だから私は息子と一緒に帰ればいいんだ。
  文字通り彼女の前からきれいさっぱり消えてしまえばいいんだ」……そう思っていると、
 「ワタシならもう大丈夫だから、心配しないで……おねえさん!」と、
 あんなに溢れていた涙を拭って、自分を心配させまいと笑顔でそう言ってくれた
・ほっとした自分はそのままエミと一緒に、夫の待つ場所まで帰っていった

・ふじおが居ても居なくてもエミはサフィニアを見つけられたのかというとそうではなく、
 サフィニアがふじおにブチ切れて実体化し、自分の心の奥底にあった気持ちをさらけ出したことで
 エミがその声を聞き取り、ようやくサフィニアにたどり着いた…という流れ
・サフィニアの夫のきんかとエミはいわゆる天国という場所に居たものの、
 いつまで経ってもやって来ないサフィニアのことを心配し続けており、
 痺れを切らしたエミがゾロアからヒスイゾロアに変わったことでようやく探しに行くことができた
・きんかはエミが連れ帰ったサフィニアと再会した後、
 「私のせいでごめんね」と謝られ、「迎えに行けなくてごめんね」と謝った
・そうして彼らは、どれだけ時間がかかってでも、また"家族"として生まれ変わることを願った